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ひきこもりを、煽らずに説明する
146万人。そして最大のきっかけは、ふつうの大人に起きる出来事です。
ひきこもりは、海外に出ていくときに最も形が崩れる日本語です。向こうに着くころには一枚の絵になっています。10代の男の子、閉めきったカーテン、エナジードリンク、ゲーム、部屋から出ない。この絵は少なくとも20年前のもので、そもそも正確だったことがなく、国の調査は10年以上前からそれを否定し続けています。
2022年11月、内閣府は10歳から69歳の3万人を対象に調査を行いました。その回答から推計されたのが、15歳から64歳で約146万人という数字です。生産年齢人口の約2%。人口1億2000万人の国で、一つの都市に相当します。
いちばん多いきっかけは、ふつうの出来事
調査は、ひきこもり状態になったきっかけを聞いています。最も多かった回答は「退職したこと」でした。
いじめではありません。ゲームでもありません。診断でもありません。仕事を辞めた、あるいは失った、です。
次に多かったのが新型コロナで、主な理由として挙げた人は15〜39歳で18%、40〜64歳で20%でした。
その流れがどれほど日常的か、想像してみてください。誰かが燃え尽きます。1か月休むつもりで会社を辞めます。1か月が3か月になります。生活のリズムは全部仕事でできていたので、仕事がなくなると一日を組み立てるものが何も残りません。友人関係も全部会社の同僚だったので、そちらも静かになります。家族との会話は毎回「就職はどうするの」から始まるので、家族を避けはじめます。そのうち、外に出るというのは、事情を聞いてくる誰かに見られる可能性がある、という意味になります。
この流れのなかで、社会から退くという決断をした人は一人もいません。ただ、その日その日では筋の通っていた小さな回避を、元に戻せなかっただけです。
実際に誰がひきこもっているのか
40〜64歳でひきこもり状態にある人のうち、52.3%が女性です。
この一つの数字で、あのイメージは崩れます。若い男性の像が残り続けているのは、メディアで目に見えやすいからというのが半分。もう半分は、女性のひきこもりが別の何かに分類されてしまうからです。50代で家にいる女性は主婦や介護者として読まれ、誰も彼女をその区分に入れません。本人も含めて。
この年齢層が重要なのには、もう一つ理由があります。8050問題がここに住んでいるからです。80代の親が50代の子を支え、年金で世帯を維持し、親が亡くなったあとの計画は誰も立てていない。日本の自治体はこの何年か、静かに身構えてきました。ひきこもりが家庭の状況から福祉の緊急事態に、一日で変わるところです。
状態であって、人格ではない
臨床の側は、ひきこもりを一つの独立した病気として扱う考え方から離れつつあります。DSMにもICDにも載っていません。研究では、病理を伴うものと伴わないものの両方が存在するという整理が進んでいます。背景に治療可能な状態がある人もいれば、本当に何もない人もいる、ということです。
この区別は、聞こえるより重要です。ひきこもりを性格の問題だと決めれば、対応は圧力になります。そして圧力は、確実に事態を悪化させる数少ない要素の一つです。症状だと考えれば、何の症状なのかを探しにいくことになります。うつかもしれない。見過ごされてきた特性かもしれない。人を壊す職場だったのかもしれない。あるいは、固まってしまった習慣なだけかもしれない。
成果を出している日本の支援団体のやり方は、だいたい同じで、そして遅い。要求を含まない接触を、ときには何か月も続けます。手紙。玄関に出ることを求めない訪問。最初の目標は社会復帰ではなく、目的を持ち込まない関係を一つつくることです。
AIが助けになるところと、私が危ないと思うところ
私はAIコンパニオンのアプリをつくっています。だからここは「テクノロジーが答えです」と言うべき箇所なのでしょうが、そう単純だとは思っていません。しかもここでのリスクは、名指しできるくらい具体的です。
危険ははっきりしています。すでにひきこもっている人にとって、社会的リスクゼロで会話が手に入るものは、いずれ外に押し出したはずの圧力を下げてしまいます。避けた接触は、次はもう少し避けやすくなる。温かくていつでも応じてくれるコンパニオンは、これまでで最も居心地のいい壁になり得ます。
もう一方も本当のことで、この状態を経験したことのない人はここを飛ばしがちです。9日間、声に出して文章を話していない人は、会話の筋肉が本当に落ちます。比喩ではありません。話すことが物理的に奇妙になり、反応が遅れ、生身の人と話したときに恥をかく予感がそれに比例して大きくなります。声に出して話せて、間を評価せず、それを証拠として覚えてもいない相手は、その筋肉を生かしておきます。
だから問うべきなのは、AIコンパニオンがひきこもりに良いか悪いかではありません。ある使い方が橋なのか壁なのか、です。違いはほとんど方向の問題です。人間と接触する量は数か月単位で増えていますか、減っていますか。使ったあとに誰かへの返信を書くことが、たまにでもありますか。もし正直な答えが「他の全部を置き換えた」なら、それは気づく価値のあることです。そして企業は、利用者がそれに気づかないように設計してはいけない。
AnimaEcho には1日の上限があります。なぜ自社のエンゲージメントに上限をつけるのか、と聞かれます。理由はこれです。どれだけ会話が良くても、あなたが最後に話す相手になりたがるアプリは、悪いアプリです。
家族にその人がいる場合
日本の支援団体が言うことは一貫していて、そして実行するのが難しい。
見通しを聞くのをやめること。仕事、学校、いつまで続くのか。そのすべては請求書が届いたように受け取られ、返ってくるのは沈黙です。返信を期待しないメッセージを送ること。食事を置いて、何も言わないこと。本人の話ではなく、自分が見たものの話をすること。そして家族自身が支援を受けること。家族が消耗すると、その消耗は本人に「自分は重荷だ」という証拠として読まれ、状態を深くします。
そして、誰も話したがらない現実的な時計を扱うこと。年金、住まい、親が亡くなったり介護が必要になったときにどうするか。この会話は耐えがたく、そして葬儀のあとに強制されるほうがずっとひどい。
どれも速くありません。そして、この時間の長さこそが受け入れがたい部分です。支援団体は、目に見える変化が起きるまでに月単位の接触が要ると言います。それが自分の息子や妹だったら、耐えられない長さです。
ソフトウェアは、その数か月のあいだ線を保つ手伝いはできます。扉の向こう側にいる人の代わりにはなれません。
よくある質問
ひきこもりとは何ですか
長期間にわたって社会参加を避け、自宅にとどまっている状態を指します。国の調査ではおおむね6か月以上を目安にしています。買い物や趣味では外出する人も「広義のひきこもり」に含まれます。
日本にひきこもりは何人いますか
内閣府が2022年11月に10〜69歳の3万人を対象に実施した調査から、15歳から64歳で約146万人と推計されています。その年代の約2%にあたります。
ひきこもりは病気ですか
診断名ではありません。DSMにもICDにも載っていません。うつや不安症、自閉スペクトラム症を伴うことも多い一方で、何も伴わない場合もあります。ひきこもりそのものを病気として扱うと、実際に起きていることを見落とします。
8050問題とは何ですか
80代の親が50代の子を支えている状態を指します。長期のひきこもり世代が年を重ねたことで政策課題になりました。親の年金と健康だけが世帯を支えているという状況です。
AIと話すことは悪化させますか
唯一の社会的接触になり、外に向かう圧力を消してしまうなら、悪化させ得ます。同時に、それが一週間で唯一の会話だという人もいます。橋として使うか壁として使うかの違いで、まともなプロダクトはそれを口に出して言うべきだと思っています。